お中元に使う「のし紙」の種類と基本マナー
お中元に使うのし紙は、「紅白蝶結び」を選びましょう。白ではなく、金や銀などもありますが、いずれも使用可能。蝶結びは、何度お祝いしても良いシーンに用いられるもの。お歳暮も、この蝶結びを使用します。別名「花結び」とも言われているので、どちらの名称も覚えておくと良いですね。
お中元に使うのし紙の種類は? ■「紅白蝶結び」を選ぼう
お中元のし紙を市販で購入するなら OAにも対応している、すぐに使えるのし紙
ササガワ
のし紙 中杉判 祝 京 御中元入
下に名前を書くだけで使用できる「御中元」の文字入りのし紙です。OA(インクジェット、レーザー)に対応しているので、無料テンプレートをダウンロードして、印刷することも。
贈り物を大切に包んでくれる、ほどよい厚みの上質紙を使用。サイズも豊富にあるので、品物に合わせて選べます。
お中元のしの内外使い分け ■「外のし」と「内のし」の違いとは
のしは贈り方によって掛け方を変えるのが一般的です。「外のし」というのは品物の一番外側、包装紙の上にのし紙を掛けるやり方の事。相手に渡した時点で「何の贈り物か」がわかるので、主に持参する場合に用いられます。「内のし」というのはのし紙の上から包装紙を掛けるやり方の事。主に配送で相手方に届ける場合に使い、相手は包みを開けて初めて贈り物であることがわかります。
お中元ののし紙のNG ■「熨斗」が不要な場合は?
のし紙の右肩にあるひし形状のものは「熨斗」と呼ばれ、一般の慶事や祝事の贈り物をする際に付けるマナーがあります。この「熨斗」の起源は、伸しあわびと言って、あわびを削いで干したものを和紙で包んだもの。あわびはお祝い事の象徴でもありますので、魚介類や肉など、生ものを贈る際には「熨斗」付きは不要。水引のみののし紙を使用するのが一般的とされています。
押さえておきたい!お中元の「のし紙の書き方」とは?
続いて紹介するのは、のし紙の書き方についてです。水引きの上段「表書き」、下段「名入れ」の書き方についてもルールがあります。お店で品物を購入してのし紙を付けてもらう場合にも、マナーを理解しているとスムーズに対応できますよね。自分で書いたり、作成する場合に参考になる、筆記具についても紹介します。
お中元のしの書き方 ■贈る時期によって変わる「表書き」
のし紙の表書きは、「御中元」「お中元」となります。ただ、お中元を贈る時期は6月下旬から7月15日というのが一般的。その時期を過ぎてから贈る場合、立秋(2020年の立秋は8月7日)までは「暑中御見舞い」、立秋を過ぎたら「残暑御見舞い」とします。いつまでに贈るのが一般的か、時期には各地域毎にマナーがありますので、その時期にふさわしい表書きを選んでくださいね。
お中元のしの書き方 ■「名入れ」は自分の名前のフルネームが基本
水引の下の「名入れ」には、個人で贈る場合は自分の名前をフルネームで記入するのが一般的ですが、目下の人に贈る場合は苗字だけでも良いとされています。ご夫婦の場合は連名でも良いでしょう。企業名などの場合でも、3行以内に。3行以上になる場合は代表者の名前と「外一同」などと記入します。会社名、役職などは名前より小さめに書くなどの配慮が必要です。
お中元のしの書き方 ■のし紙を書く時に使う筆記用具は?
のし紙は本来「和紙」。和紙と相性の良い筆記用具といえば、「筆」です。正式には墨と筆で記入するのですが、筆を持っていない場合は、筆に準じるものとして黒色の「毛筆ペン」がおすすめ。今は、毛筆ペンにも多くの種類がありますので、お気に入りを1本持っておくととても便利です。文字の強弱が出ないボールペンや油性ペン、水で滲んだりするサインペンなどは、極力避けるようにしましょう。
すぐ使える!お中元のし紙の無料テンプレート3選
のし紙を無料でダウンロード、印刷できるテンプレートを紹介します。名前を入れて印刷ができたり、親しい友人や親せきなどに使える、かわいいイラストが入ったカジュアルなのし紙もあります。いずれも会員登録など不要で使えるものばかり。御中元だけでなくても、知っていると今後も便利に使えそうですね。
お中元のしテンプレート無料サービス ■1.シンプルイズベスト!基本の熨斗紙
自由に作れるお中元のし紙なら 使いやすいデータが選べる、3種類のファイル形式
無料の熨斗紙テンプレート熨斗紙素材館
紅白花結び 5本結び のし付きのテンプレート
のし紙のテンプレートが豊富に揃う「熨斗紙素材館」。こちらでは、お中元の基本である「紅白蝶結び」ののし紙テンプレートがダウンロードできます。
一度で、JPEG、ワード、エクセルの3種類のファイルがダウンロード可能。使いやすいものを選ぶことができます。ワードやエクセルファイルは、表書きや名入れなどを入れてから印刷できますよ。
お中元のしテンプレート無料サービス ■2.一瞬で作成!表書き入りだからカンタン!
スピード重視のお中元のし紙なら 名前を入れるだけでOKのテンプレート
のし無料作成サービス のし窓
「御中元」の表書きがすでに入っているので、「下書き」と書かれた枠に名前を入れるだけ。一瞬でA4サイズ印刷用のPDFデータがダウンロードできます。
PDFなのでダウンロードできれば、あとは印刷するだけ!「御中元」の表書きは、変更可能で他のお祝いごとなどにも使えますので、知っていると便利なサービスです。
お中元のしテンプレート無料サービス ■3.親しい人に贈りたい!イラスト入りのかわいいのし紙
お中元のし紙は「かわいい」が新しい!? のし紙から涼を届けたい
無料の熨斗紙テンプレート熨斗紙素材館
水風船のイラストを添えた涼しげなデザインのし
親しい友人などに贈る場合に使える、イラスト入りのかわいいのし紙もあります。イラスト入りは、お中元を贈る時期にぴったりな、涼しげなものがおすすめ。この水風船の優しいイラストなら、開ける前から涼を届けてくれますよね。
夏の花であるヒマワリや朝顔、金魚などのイラストもあります。特にマナーにこだわらなくても良い親しい友人や家族に贈る場合は、のし紙を楽しむというのも新しいお中元の形かもしれません。
[場面別]お中元ののし紙、こんな時どうする?
お中元を贈る時にふと感じる疑問を、場面別に紹介します。喪中の相手に贈る場合、お寺に贈る場合などのマナーや、最近見かけることの多い短冊熨斗についても解説しています。お中元は、気持ちを伝える贈り物でもありますから、マナーを理解し、相手の喜ぶ贈り物をしたいですね。
知っておきたい!シーン別お中元ののし紙のアレコレ ■喪中の相手に贈る場合、のし紙はどうする?
喪中の相手にお中元を贈る場合、お祝い事を示す熨斗や赤白の水引は使わないのが原則です。では、のし紙はどうしたら良いのでしょう?お店では、「白地(無地)」と呼ばれる「熨斗・水引無しののし紙」が用意されています。この「白地」か「短冊」と呼ばれる細長い紙を付けてお中元を贈れば大丈夫です。
知っておきたい!シーン別お中元ののし紙のアレコレ ■お寺に贈るお中元、一般的なマナーで大丈夫?
日頃お世話になっているお寺へお中元を贈る場合、水引は紅白でいいの?などと悩みますよね。ただ、お寺への贈り物であっても、お中元の基本的なマナーは同じなので、「紅白蝶結び」を選びましょう。ただ表書きを「御中元」とすると、毎年贈るものと捉えられますので、一度きりの場合は「御礼」が良いとされています。
知っておきたい!シーン別お中元ののし紙のアレコレ ■「短冊」のしは、失礼にはならない?
最近、品物全体を包むのし紙ではなく、右上の位置に貼る「短冊熨斗」も目にすることが増えてきました。こちらは簡易包装の観点から、使われることがより多くなったものですが、マナーとして失礼にはなりませんのでご安心を。品物の大きさによって使い分けることもおすすめです。
贈る前に知りたい!そもそもお中元の由来って?
最後にお中元の由来について解説します。お中元は「季節の挨拶」であるとともに「お礼」も兼ねるもの。「涼しさを感じられるもの」を選ぶのも良いとされています。贈る時期がお盆と重なることから「盆礼(ぼんれい)」と呼ぶ地域や、お盆のお供え物のひとつと位置付けている地域もあります。由来を知るとより気持ちを込めて贈り物を選ぶことができそうです。
お中元の歴史から学ぶ贈り方 ■お中元の由来とは?
お中元は本来、中国の道教の三元(上元・中元・下元)から来ていると考えられています。道教において中元は「贖罪の日」とされており、神様を祝う風習がありました。一方で仏教では「盂蘭盆会(うらぼんえ)」と呼ばれる、ご先祖様を祀る行事も行われていました。
お中元の歴史から学ぶ贈り方 ■日本でのお中元
道教や仏教の考え方が一体化し、日本では「お盆の時期に祖霊あるいは身近な人への感謝を込めて贈り物(供え物)をする」行事としてお中元が定着したのです。ですから、夏を快適に過ごすものだけでなく、ご霊前に供える品としても使えるものを贈る方もいるのは納得ですね。
お中元の歴史から学ぶ贈り方 ■地域によって異なる贈る時期
「お中元はお盆の時期」と聞いてピンとくる方もいらっしゃるのでは。「お盆って、新暦と旧暦があるよね?」その通り!関東では新暦でお盆を数えますので、お中元は6月下旬~7/15までに贈ります。一方関西や東北などは旧暦でお盆を数えますので、7月下旬~8/15までと1ヶ月のズレが生じます。
お中元の歴史から学ぶ贈り方 ■お中元を贈る相手とは
お中元は「祖霊だけでなく生きている人にも感謝を表すもの」なので、自分の親などにも送って良い、とされています。気を付けなければならないのは、お中元は「目下の者から目上の者へ贈る慣習がある」ということ。目上の人が目下の人に贈り物をする場合はお中元ではなく「お礼」として贈りましょう!